花よりもなお

野菜。

果物。

肉。

魚。

スパイス。

買い物袋の中には様々な物が入っている。

「だーから、一本だけだっつってるだろーが!!」

「あぁ!?もう一本ぐらい買いやがれ!」

「買わねっつってんだろが、わかんねーマリモが!!」

「十本ぐれー買いやがれ。」

「じゅ・・・てめ、人の話聞いてねーだろ」

ゾロとサンジ、二人が仲良く大きな買い物袋を持ちながらケンカしているのは一軒の酒屋。

この二人が買出しに出ると、何を買っても大人しく荷物持ちをしているゾロが酒を買うとなると譲らない。

「わーった。二本買ってやるから。でいいだろ?」

「十本だ」

「・・・・・(怒)」

「・・・・・・」

埒があかない。

「ふー。じゃーマリモ。金をやろう。これで酒を買って来い。俺ってばやさしぃー。」

「さっさとよこせ。」

「あぁん!?・・・じゃ、ほれ。金。俺先に帰ってっから。」

ゾロは素直に受け取った。

ゾロがお金を受け取るとサンジはダッシュ。

店の少し離れた地点でストップ。

「バーカ。バーカ。騙されやがったな、マリモマン。その金は二本分の金しかありませんよーだ。あとはレシートvvvv十本買いたきゃ買ってみやがれ、金欠マリモ!」

「・・・・・・(怒)」

ってーのが10分位前の話。

まったくよー。

酒好きマリモが・・・。

十本だと!?

なーに考えてやがる!!!

あー、イライラしてる場合じゃねー。

残りの買い物済ませねーと。

後は・・・食卓の上の花束か。

花屋〜。

花屋はっと。

あった。

店先から様々な花が並んでいる。

どれにすっかなー。

バラ?

ガーベラ?

これだけあると悩む・・・。

ピンクのユリもなかなかかわいい。

チューリップもいい感じだ。

あ。

なんだ?これ。

花びらが何重にもなった、ちょっとバラににてるような。

お。

この花のうすいピンク色かわいいじゃねーか。

えーっと、ラナンキュラス?

へー。

たまにはかわった花もいいな。

これにすっか。

んナミさんvvvロビンちゅわんvvv喜んでくれるかな〜♪

っと、さっさと帰って飯作らねーと。

「おやじー。この花5本くれー。」

「はいよー。」

手際よく花が選ばれていく。

んナミさんvvvとロビンちゅわんvvvの喜ぶ顔が思い浮かぶぜ。

「はい。できたぞ、にーちゃん。」

ほいじゃ、帰るかね〜♪















「んナミさ〜んvvvv!!!ロビンちゅわ〜んvvvv!!!帰ってきたよ〜!」

「はいはい。」

「ふふっ。」

あ、早く花を花瓶にささねーと。

「あら、綺麗な花ね。」

「でしょ?食卓に飾るのでお楽しみください、マドモアゼル。」

「はいはい。」

軽くあしらうナミさんも素敵だ〜vvv

「ナミさんvvvロビンちゃんvvvディナー楽しみにしててねーvvv」

そう言いながらキッチンに入る。

さて、まず花を花瓶にささねーとな。

それから夜ご飯の準備っと。

って・・・・。

何か忘れてねーか、俺。

何か。

・・・・・・・。

マリモ。

マリモだよ!!

夜ご飯に使うスパイス、あいつが持ってるじゃねーか!!

あいつに預けた買い物袋の中。

「うがーーーーーー!!!」

あんなマリモに持たせるんじゃなかったぜ!!

俺のバカ!!

・・・いや・・・。

俺は悪くねー。

あのマリモが悪い!!

「ムキーーーーーーーー!!」

ガチャッ

「何奇声上げてやがる。」

ドアを開けて現れたのは、マリモ。

「おい、マリモ!!」

「あぁ?」

「俺のスパイスを盗ろうたってそうはいかねーぞ!」

「?」

「ムキーーーーーー!!そこに買い物袋置いとけ!!」

今はとにかく花をささねば。

花が萎れる。

「おい。」

「酒、一本にしたぞ。」

「そーかい。」

「褒めろ。」

・・・・・。

何を言い出しやがる。

・・・・・。

「あー、えらいでちゅねー。」

「(怒)」

不満だったみてーだ。

「褒めたじゃねーか。」

「バカにしたの間違いじゃねーか?」

まー、そーとも言う。

「じゃ、どう褒めりゃいいんだ?」

「褒美だな。」

は?

「酒九本我慢した」

「酒一本の間違いだろ。」

たぶん今俺らの間には火花が散ってるだろうな。

「酒を我慢した褒美をよこせ。」

・・・・・・・うーん・・・・・。

「ナデナデちてあげましょーか?」

「(怒)」

「怒ったって怖くねーよ。・・・あ!!」

話しながら花を花瓶にさしてたのがまずかった。

茎が折れやすそうな花だったから気をつけてたんだがなー。

最後の一本の茎をおっちまった。

「あーあ。どうすっかな。」

結構短くなっちまって。

あ。

俺の手の上にのった花をマリモが奪いやがった。

「なにすんだよ。」

え?

ロロノアさん。

何俺の髪触ってらっしゃるんですか?

まー、まだそれはいいとしよう。

何、花を人の髪にさしてんだー!!

「何してんだ!!」

「綺麗だ」

「は、はぁ?あぁ。花がね」

「・・・・・・・。」

「反応しやがれ!!」

こらこら。

だまって出て行こうとすんな。

「無反応反対!!」

「飯できたら起こしに来い。」

「勝手に起きろ!!」

チッ。

出て行きやがった。

男の髪に花さすなよ。

ガチャっ

「サンジ君、夜ご飯・・・・・・・綺麗なかんざしね。」

「ふふっ。本当。」

ぎゃーーーーーーー!!




その後俺はナミさんとロビンちゃんに散々つつかれた。







えんど。


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