「ナミすわ〜んvvv晩御飯ですよ〜vvvその他諸々〜。飯だ。」
「飯ーーーーーーーーーー!!!!!!」
「今日の晩御飯はなんだろなーっと。」
「わー。おいしそうな香りねー。」
それぞれ順番にキッチンに姿を現す。
「ナミさん、食前酒ですvvv」
ナミさんのお世話をして、ウソップの晩御飯を横取りしようとしているルフィーの手を捕まえて・・・。
そんなことをしていても頭の中はさっきから同じ事を考えている。
“ゾロまだ帰って来ねーのかな・・・。”
「どしたの?サンジ君。さっきからそわそわして・・・。」
「え?そんなことありませんよ〜vvv」
「ゾロならまだ帰って来てないと思うけど・・・。心配?」
ナミさん・・・鋭い・・・。
「お、俺は別にマリモのことなんて〜。さ、ナミさん炒め物もどーぞvvv」
クルー達には、ゾロと恋人同士になったことは教えていない。
“でも、ナミさんの言うことは鋭いんだよなー。”
それぞれにお腹がいっぱいになるまで食べて、いっぱいになると各自ばらばらに部屋に帰っていく。
まず、ナミさん。
「サンジ君、おいしかったわ。ごちそうさま〜。」
「ナミさんにそう言っていただいて光栄ですvvv」
次は、ウソップとルフィー。
「サンジ、ごちそうさまー。」
「サンジ、うまかったぞー。しししっ」
「おう。」
誰もいなくなったキッチンで、タバコに火をつけて一服する。
まだゾロは帰ってこない。
きっと町で迷子にでもなっているんだろう。
「皿洗いでもするか。」
鍋やフライパン、クルー達が使った皿などを順番に洗っていく。
その時、キッチンのドアが開いた。
そこには、やっと帰ってきたゾロ。
「くらぁあああ、マリモ!!どこまで用事済ませに行ってんだよ!!飯時に帰ってこねーとはいい度胸じゃねーか!!」
「あぁ?」
「どーせ、また迷子になってどこまでも果てしなく進んで行ったんだろ。方向音痴め。」
「(怒)」
青筋たててやがる。
俺のコミュニケーションくらいで怒んなっつーの。
こっちは聞きてー事があってずっと待ってたんだよ!
「まーいい。ほれ、食え。」
テーブルの上に残しておいた晩御飯を並べる。
「俺の分残ってんのか。」
何言ってんだよ、このマリモ。
残しといたんだよ、クソヤロー。
そんなことは本人の前では言えないが・・・。
「不服ですか、クソヤロー。」
「いや、驚いた。」
ゾロが椅子に座ったのを確認して、最後の一品を持って席につく。
「さー。食おうかね。」
俺は自分の皿に少しずつ料理を盛っていく。
さて食べようとフォークを持ってカルパッチョを食べかけたとき、俺の方をじーっと見ているゾロの視線に気がついた。
「なんだよ。」
そんなに見たら照れるだろ。
「待ってたのか?」
「・・・あぁ?」
何急に言い出すんだ、こいつは・・・。
「晩飯。食ってねーんだろ?・・・待ってたのか?」
・・・・・・・・。
////////。
「な、何言ってんだよ!/////配んのに忙しかっただけだ!///////」
「・・・・。」
恥ずかしいことわざわざ聞くんじゃねーよ!!
絶対俺の顔赤くなってる・・・。
もー!!!
とにかく、晩飯食うんだ!!
食べたら聞かないと・・・。
ゾロに聞くって決めたから。
その後、残しておいた晩御飯は綺麗になくなった。
今俺はどうやって聞こうか悩んでいる。
「飯も食ったし。俺はそろそろ寝る。」
悩んでいたら、ゾロがそんなことを言い出した。
まだ聞いてねーのに寝るなよ!!
待て待て!!
だー!!もー!!
「ゾロ、俺のこと嫌いか!?」
・・・・・・。
だー!
俺何してんだよ!!
直球で聞いちゃったよ!!
「嫌いってのは俺がお前をってことか?」
「そ、そうだ。」
どんな答えが返ってくるか。
もし・・・・・
嫌いだったら・・・・・
嫌いって言われたら・・・・・
ドウシヨウ・・・・・
血の気がどんどん下がっていくのがわかる。
答えが怖い。
やっぱり聞きたくない!
「やっぱりい」
「嫌いな、しかもヤローなんかとキスするわけねーだろ。」
俺の口から出た“やっぱりいい”という言葉はゾロの答えに掻き消された。
「嫌いなヤローなんかと毎晩キスするわけねーだろ。」
でも・・・
「でも・・・」
今の俺はそれだけの言葉じゃ満足できない。
「でも、それ以上はしてこねーじゃねーか!!」
ずっと悩んでいた。
なぜゾロはキス以上の事をしないのか。
恋人になったからには求められたいし、求めたい。
それなのに、なぜゾロは求めてこないんだろう。
そんなことばかり考えていた。
ゾロが俺の頬を指でなでる。
その指が濡れてる。
「泣くほど不安だったのか?」
「あー、不安だったよ!!悪いか!!で、なんでエッチしねーんだよ!!」
「簡単だろ。お前を傷つけねーためだ。」
・・・・・・。
そりゃ確かに簡単だ。
「悩んでた俺がバカみてー。」
しかも真顔で言うなよ。
恥ずかしい。
「やるとなるとお前の方が負担が大きいんだぞ。軽々しくやれねー。」
なんか俺今まで悩んでたけど。
思ってたよりマリモに愛されてたみたいだ。
マジで悩み損。
なんか胸の中があったかくなる。
「そこまで悩んでたとはな。早く手を出しとくべきだったぜ。ちょっと待ってろ。」
そう言うとゾロは椅子から立ってキッチンから出て行った。
そして5分もしないうちに帰ってきた。
「町行くぞ。」
そう言いながらゾロが俺の腕を引っ張る。
「は?今から?何しに?」
次の瞬間体か宙に浮いた。
「うわっ!ちょっ!おい!」
そして俺はそのまま、ゾロに抱えられて町に出た。
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