「おい!!マリモ!!てめー、降ろしやがれ!!」
昼間は賑わっていた町も夜は店も閉まって静まり返っている。
その静まり返った町の通りをサンジを抱えながら進んでいるゾロ。
ゾロの肩に担がれているサンジがわめいているが、ゾロは気にも留めない様子でどんどん進んでいく。
店の閉まっている静かな通りをある程度歩くと、段々眩しい程の電気が点いた通りに出た。
いわゆる、歓楽街。
夜だというのに賑やかな通り。
「おい、こら!!降ろせ!!」
その通りの好奇の目線に晒されながら2、3軒の店を過ぎてゾロは店に入った。
「おい、一部屋貸してくれ。」
店主は不審げに見たが黙って部屋の鍵を渡した。
「おい!!てめー、そろそろ降ろせよ。」
返答なし。
サンジはそのままゾロに抱えられて部屋に入った。
部屋はシンプルで、真ん中にベッドが一つ。
そのベッドの上にやっと降ろされる。
「急に人抱えて町に歩き出すわ、ホテルで部屋借りるわ、どーしたんだよ。」
「初めてやる場所はベッドの方がいいだろ。」
・・・・・。
やるってあれ・・・?
セックスだよな・・・。
もしかしてあれか?
俺のために部屋を借りたと?
・・・・・。
うわぁー・・・。
なんか無性に恥ずかしい。
そんなことを考えていたら、ゾロに押し倒された。
「おい!即効やるのかよ!!」
「ああ。一ヶ月こらえた。もーいいだろ。」
おいおいおい。
恥ずかしいヤローだな。
「ちょ、ちょっと待て!!」
ゾロはどんどん俺のシャツを剥いでいく。
「待てつってんだろ!!風呂入らせろ!!」
「あぁ?」
「風呂!!」
俺は女の子じゃないが、やっぱり好きな奴と初めて寝る時はきれいな方がいい。
だが、俺の目の前にいる奴はそんなこと気にしちゃいない。
「大丈夫だ。」
ほらね。
「なーにが大丈夫なんだよ!このままはいやだっつってんだろ!」
やっとゾロの動きが止まった。
「しょうがねぇーな。入って来い。」
ゾロが渋々ベッドから降りた。
すばやく洗面所に逃げ込む。
「はー。」
遂にやんのか。
ドキドキするな・・・。
シャツのボタン外すのも手が震えるぜ。
すると背中から
「早く出てこいよ。」
「ぎゃー!わーったよ!早く出てけ!!」
まったく。
油断も隙もねーやつだ。
服を全部脱いで風呂場に入る。
シャワーを出して頭からかかると、ちょっとだけ落ち着いてきた。
「あー。」
でも
遂にやるんだよなー。
服脱いだ途端にげんなりとかしねーのかな。
服脱いだ途端、「やっぱやめる。」とか言われたらやだな・・・。
「はぁー。」
スポンジに石鹸をつけて泡立てる。
今の間だけ胸膨らんだりとかしねーかな。
そしたら絶対げんなりとかされねーのに。
自信持って裸になれるのに。
そんなことを考えながら、自分の平べったい胸を見ていると悲しくなってくる。
泡立てたスポンジでごしごしと洗っていく。
「あうー。」
悩んでも、胸は膨らまない。
そんなことを考えている間に洗い終わったようで全身泡だらけになっていた。
洗い流そうとシャワーを出しかけたとき、後ろにあるドアが開いた。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
「ぎゃーーーー!!何入ってきてんだよ!!」
「出て来ねぇから俺も入ろうと思ってな。」
「じゃー、俺が出る!!」
一緒に入るなんて・・・できるかーーー!!
「泡だらけで出るのか?」
「うっ・・・。」
その時
目に入ってしまった
ゾロ自身が
「///////。」
大き・・・。
俺のと全然違うんだけど・・・。
「泡、洗い流せ。」
「え?あ、うん。」
ゾロがシャワーで俺の泡を落としていく。
「/////。」
あー
泡が落ちちまうー。
恥ずかしー・・・。
「ゾロ。もういい。」
「・・・・・。」
「ゾロ?」
寝てんのか?
いや
目は開いてる。
ゾロの目線は・・・
俺の・・・
乳?
「・・・どこ見てんだよ。」
やっぱ、胸がないからいやになったのか?
男の体なんて興味はない?
やっぱだめ?
もう
嫌われた?
「白いな。」
「・・・。はぁ?」
胸見てたんじゃねーのか?
「綺麗だな。」
「へ?」
そんなに見んなよー・・・。
「あのさ・・・」
聞いてみよーかな・・・。
「胸なくてがっかりした?」
・・・・・。
うー
いやだな、この間・・・。
「お前じゃねーだろ。」
「へ?」
「胸があるとして、それはお前か?」
「今俺の目の前にいるおめぇは胸はねぇ。しかも男だ。」
「でも、それがお前だろ?」
「胸があるかねぇかなんて関係ねぇ」
「お前かお前じゃねぇかだ。」
それって・・・
「それって・・・俺の身体見てもげんなりしないってこと?」
「お前のことでげんなりすることなんかねぇ。」
ゾロの言葉を聞いてるだけで胸の中がぎゅーってなってくる。
ゾロのごつい指が俺の唇を撫でる。
「この唇も」
「あ・・・」
その指が下にさがって胸へ。
「この胸も」
「んふ・・・」
「お前だろ?」
やばい・・・。
ゾロに撫でられたとこがジンジンする。
「綺麗だな。」
「あんんっ。」
乳首を摘まれて自分の聞いたことのない声が出た。
「/////。」
「おい。」
「・・・・・。」
「そろそろベッド行かねぇか?」
「え?」
え?え?え?
「もう待てねぇ。」
え!?え!?え!?
俺はゾロに抱えられて風呂場を出た。
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